「ビスターリ」とはネパール語で「ゆっくり」という意味。
定年後、富山県氷見に住まいを移されたTさんが、8月の末に大阪に見えたとき、呑み会の席で「のんびりアルプスを楽しみませんか?気に入った山を時間を気にしないで歩くのはどうですか?」と話があり、今回の実現となった。今の山の仲間の会で最初に知り合って、初めての山旅ももう一人のMさんと一緒に京都府と福井県の境にある「八が峰」に行った。それからは他のメンバーと何回も山旅をしたが、3人での山旅はそれ以来となる。
9月30日夜、Mさんの運転する車で京都山科を出発。翌午前1時半ごろ新穂高温泉の駐車場に着いた。富山からのTさんはすでに到着していて、駐車場にテントを張って待っていてくれた。寝る前に、軽く前夜祭で乾杯。
翌朝目が覚めると、ピーカンの空、これから登る山がくっきりと見えていた。支度をして、Tさんの「ゆっくり、そろーりと登りましょう。」との掛け声で出発。新穂高温泉バスターミナルから蒲田川を対岸に渡り、川に沿ってしばらく緩やかなのぼりの林道を行く。真っ青な空に突き出た山の姿が、今日の山旅の期待を盛り上げてくれる。広い林道は気持ちのいい木陰道。気分も上々で足がリズミカルに進む。笠新道の登り口を過ぎてすぐに「わさび平小屋」に到着し休憩する。
「たけちゃん、早すぎるよ。」とMさんから言われる。休憩後は僕が最後を歩くことに。
わさび平小屋をあとになおも林道を進み20分ほどで登山口に着く。
ここから、本格的な山道に入る。石がごろごろした空の開けた明るい道を浮石に注意しながら登る。ぐんぐん高度が上がってくるとやがて穂高連峰と槍ヶ岳が見え出してきて、いよいよ気分が盛り上がる。
ナナカマドの真っ赤な実が目に眩しい。しかし、葉っぱのほうは、紅葉を通り過ごして先が縮れて無残な姿だ。秩父沢の水場を過ぎて、いよいよ高度が上がりイタドリガ原、シシウドが原を過ぎる。いままでの山旅では、高度が上がるにつれて息苦しくなりいつもグループに遅れて上がっていたが、今日は、息切れも無く快調。減量の効果か?
12時を廻っていたので、見晴らしのいい広いところで昼食の休憩。眼下に登山口辺りがよく見える。遠くには焼岳、乗鞍岳、その向こうに御嶽が見えている。
ここへ来て、Tさんの足が痙攣を起こしたので、休憩を長めに摂る。少しましになったところで、今日の目的地の鏡平まであと少しの道をゆっくりすすむ。いよいよ木道が表れたらすぐに鏡池に到着。池畔のテラスには先客が座り込んで、槍穂高の絶景を楽しんでいた。
やっと来たぜ。次第に雲がかかり始めて、槍も見え隠れする。木道をちょっと行ったところの鏡平山荘でチェックインを済ませて、部屋に荷物を置いてビールを買って、山荘前の広場のベンチに腰掛けて先ずは乾杯。ダウンジャケットを着て丁度ぐらいの気温だ。携帯をみると、Aさんから着信があったので、電波のいいところで電話してみると繋がった。穂高の山の上に電波が通じるか試してみたそうで、激励の言葉を頂きしばらく話をする。(感謝)夕食まで時間があったのでもう一度鏡池まで行ってみる。さっきまでの雲も無くなって穂高連峰の勇姿が池面に写って素晴らしい。いつまで見てても飽きない風景だ。何枚も写真を撮った。
山荘に帰って、夕食を頂き夕食後は部屋に帰り横になると、知らない間に眠ってしまった。疲れているのだ。
by take4ni4da
| 2010-10-02 21:07
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